【漫画紹介】社会科見学 in 鬼ノ仁設計事務所!「一級建築士矩子の設計思考」を紹介

漫画感想

どんな漫画?

今回紹介する漫画は、鬼ノ仁先生による、

『一級建築士矩子の設計思考』です。

本作は、週刊漫画ゴラク(日本文芸社・ニチブンコミック)から連載されている職業漫画です。

現在(2022/3時点)は一巻のみ発刊しております。

作者の鬼ノ仁先生は、有名な成人向けコミックの作家ですが、実は一級建築士として事務所を経営していた経歴をお持ちです。

建築士のあるなるネタなど、ご自身の経験則や業界の鉄板ネタなのかもしれません。

本作は、その知識や経験、人脈などを活かした内容になっており、建築分野に興味がある方にとっては窓口になる作品でしょう。

あらすじ

【上京女子の、東京亀戸設計ライフ!!】
古川矩子(こがわかなこ)は20歳で青森から上京。
建築とお酒が大好きな彼女は
7年間、設計事務所に勤めた後に独立。
東京亀戸に“立呑み”併設の個人事務所を設立した。
お金は無いけど、理想とお酒はある!
心(じょっぱり)に、火をつけろ!
知られざる『一級建築士』の実務が描かれる、
唯一無二のプロフェッショナル物語!!
『一級建築士』『1級建築施工管理技士』
資格を実際に有する著者、魂の会心作!!!

引用:日本文芸社公式ホームページより抜粋
一級建築士矩子の設計思考 – 株式会社日本文芸社 (nihonbungeisha.co.jp)

鬼ノ仁先生も青森出身とのことなので、主人公の経歴は作者をモデルにしていると思われます。

魅力

本作の魅力は本当に社会科見学で事務所に訪れ、優しいお姉さんにお酒やおつまみを出してもらいながら、専門的な建築の話を聞いているかのような気分にさせてくれる点です。

そのお姉さんが実は只者ではない感じがなお良く、普段はどこにでもいるような柔和な女性ですが、一度仕事のスイッチが入るとエキスパートが放つ独特な職人オーラを漂わせます。

ギャップ萌えというやつですね。

お姉さんは事務所のオーナー「古川矩子」さんで、夢は建築家になることです。

作中で「建築士」と「建築家」の違いについて矩子が語りますが、そのエピソードが個人的に一番好きなお話で、鬼ノ仁先生も説明的にならない様に、かなり力を入れてプロットを作ったとのことでした。

この作品の弱点は、文章の八割強が建築の説明に費やされることです。人によっては拒否反応を起こす方もいると思います。

実際普通なら面白い作品にはならなそうなものです。

しかし、本作はその弱点を見事に克服した素晴らしいバランス感覚で描かれています。

物語は基本的に一話完結ですが、小さいながらドラマがあり、エピソードは上手な着地によってテーマと意図をもって進行していたことがわかります。

プロット作りが上手なのだと思います。

自明のことの様にプロットプロットと書いていますが、プロットとは物語の構想を明文化した物のことです。よく物語の設計図と呼ばれます。

流石は一級建築士ですね。

漫画の活用

筆者は、漫画家を目指していたわけではないので知識が乏しいのですが、本作の図面を使った説明はとても漫画向きだなあと感じています。

俯瞰や主観、図面にディフォルメしたキャラクターを交えてイラスト付きで説明されると頭に入ってきやすいです。

しかも動きが感じられないということもありません。

例えば、キャラクターが想像した建築物の断面図がコマ間の視点移動の最中に唐突に出てきても、読者が「そういう説明なんだ」と脳内で補完できるます。これが不思議なくらい違和感がありません。

これを漫画以外のメディアでやろうとすると違和感が強まるか止絵にして上長に感じるか、メディアによってはそもそもできないと思います。

メディアミックス

上記の通り、現在一巻のみの発刊ですのでメディアミックスの情報はありません。

筆者の感想としては、第二の『働きマン』になるだけのポテンシャルを感じており、ゆくゆくはアニメ化やドラマ化などの映像化してもおかしくないと思います。

本作は漫画媒体だからこそのわかり易さがあると説明した通りなのですが、その上で映像化した時にそれぞれの媒体の長所を活かしたどのような演出がなされるのか、大変興味があります。

何より職業漫画は数自体が少なく面白いと純粋に感じる作品は、筆者の浅学を加味しても更に稀です。本作の成功を機にもっと増えてほしいと思う所存です。

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