神殺しの13人とは?
神殺しの13人(エインヘリャル)とは、
大人気バトル漫画『終末のワルキューレ』に登場する人間代表の英傑たちの事です。
メンバーは、
呂布奉先
アダム
佐々木小次郎
ジャック・ザ・リッパー
雷電為右エ門
始皇帝
レオニダス王
ニコラ・テスラ
沖田総司
グレゴリー・ラスプーチン
ミシェル・ノストラダムス
シモ・ヘイヘ
坂田金時
そして、
釈迦
を加えた14人の闘士です。
彼らは人間代表として神々と対決します。
この記事では、13巻発売時点で戦いを終えた六傑の内2人の英傑の史実や伝記から逸話を紹介します。
マンガの内容やネタバレは含まれていませんのでご安心ください。
中には史実と演戯などの創作を混交した記述もあります。
エンタメと割り切ってお楽しみ頂ければ幸いです。
2人のキャラクター
本記事では、ジャック・ザ・リッパー 雷電為右衛門 について紹介します。
彼らの生年没年や出身地、略歴、有名な逸話、マニアックな説などを順に紹介していきます。
ジャック・ザ・リッパー
生年没年
生年没年は不明です。
ジャック・ザ・リッパ-は『ホワイトチャペル殺人事件』の犯人とされる人物で、この事件は未解決のまま終わってしまい、犯人の身元に関する情報はありません。
略歴
『ホワイトチャペル殺人事件』は1888年4月3日から1891年2月13日にかけて英国・ロンドンのイーストエンドにあるホワイトチャペル地区や、その近隣で発生した11件の殺人事件のことです。
本項では事件の概要を解説します。
ホワイトチャペル地区は売春街で被害者も売春婦ばかりでした。
これにより切り裂きジャックの凶悪性には卑劣漢の要素が含まれるとされ、フィクション作品において、ジャックをモデルにしたキャラクターにはそのようなキャラ付けがなされることが多いです。
ただしホワイトチャペル地区は治安が悪く、犯罪が横行していたので、全てが同一犯によるものであるとは断定できないようです。
しかし、ジャックによる犯行であると確実視される事案が五件あり、それらの被害者をカノニカル・ファイブと呼びます。
以下は被害者の一覧です。カノニカル・ファイブは黒字にしてあります。
エマ・スミス 1888・403 マーサ・タブラム 807 メアリー・アン・ニコルズ 831 アニー・チャップマン 908 エリザベス・ストライドとキャサリン・エドウッズ 930【ダブルイベント】 メアリー・ケリー 1109 ローズ・マイレット 1220 アリス・マッケンジー 1889・717 ピンチン・ストリートの胴体遺体 910 フランシス・コールズ 1891・213
数字は発生年月日です。
エリザベス・ストライドとキャサリン・エドウッズの犯行は同日に行われており、ダブルイベントと呼ばれました。
そして、1891年2月13日のフランシス・コールズの事件を最後に、切り裂きジャックは忽然と姿を消してしまいました。
この事からフランシスと同棲していたジョセフ・バーネットという男が犯人ではないかとされています。しかしジョセフにも犯行を確定させる証拠がなく、真相は霧の中です。
有名な逸話
切り裂くジャックは何故ここまで有名なのか?それは劇場型犯罪の元祖と言われているからです。
どういうことかと言いますと、ジャックは1888年9月27日に新聞社に対して犯行声明文を送っているのです。
内容を要約すると、
「警察は無能だから自分を捕まえるのは難しいだろう。自分は売春婦が嫌いだから捕まるまで殺し続ける。次は耳を切り落として警察に送ってやる。文字は被害者の血で書こうと思ったが固まってしまって使い物にならなかったので赤インクで我慢してくれ。この手紙を公表するのは少し待ってくれ」
といった感じです。
この声明文は「親愛なるボスへ」という書き出しから始まり、今日その文言が名称となっています。そして、この手紙の中で自身の事を『切り裂きジャック』と名乗ります。
新聞社がこの手紙を大々的に公表して事件と共に切り裂きジャックは大衆の注目を集めることになりました。
劇場型犯罪とは、事件を演劇に見立てる犯罪の事です。
社会を舞台にして、メディアを通して衆目を集めることに喜びを見出す愉快犯が起こすとされる犯罪形式です。
犯人である自分は主役であり警察は敵役、被害者は脇役で大衆が観客というわけですね。
新聞社が声明文を公表したことは愉快犯の意図するところだったので、以降模倣する犯罪者が多発することになりました。
マニアックな説

劇場型犯罪はその特性上しばしば物語の題材になることがあります。
その元祖である切り裂きジャックも同様です。
例えば、『終末のワルキューレ』のように本人として登場し、作者の解釈によってキャラクターがつけられる場合もありますし、物語のモチーフとして猟奇殺人者のシンボルのように登場する場合もあります。
後者で有名なのは『名探偵コナン』シリーズなどです。
そして筆者が特に面白いと感じたのが、
作者が意図していたかわからないが少なくとも作中では断言されていないのにもかかわらずファンの考察によって主人公がジャック・ザ・リッパーと対決していたことになっていたパターンです。
それは『シャーロックホームズ』シリーズです。
どういうことかと言うと、
当シリーズの熱狂的なファンの事をシャーロキアンというのですが、彼らは作品内での出来事は歴史的事実であり、ホームズの足跡を記した書物であると仮定して研究(という体)を楽しんでいます。
そして、ホームズの作中での活躍とホワイトチャペル殺人事件の期間を照らして、
「この期間、ホームズは切り裂くジャックを追っていたに違いない」としたのです。
これが事実であると誤解した人もいるようですが、シリーズには切り裂くジャックは一切登場しません。
根拠になっているのは、作中でホームズが上記の期間「忙しくて手が回らない」と発言していた事と長編「バスカヴィル家の犬」の前半では捜査をワトソンに任せて自身は身を隠していた事だそうです。
物語の後半になって登場して「実は身を隠して、事件を探っていた」としているけど本当はジャックを追ってたんだろ!?という感じです。
個人的にも追っていた、という方が面白いと思います。
雷電為右エ門
生年没年
西暦1767年(明和4年)1月 – 1825年(文政8年)4月9日(旧暦2月21日))の日本人力士です。
本名は関 太郎吉といいました。
出身地は、信濃国小県郡大石村(現・長野県東御市大石)です。
正式には、「雷電 爲右エ門」と表記するようです。
略歴
雷電は江戸時代の人物で農家の出でしたが松江藩(島根県)のお抱え力士となり、身分は武士になりました。
初土俵は1789年でした。
それから21年間で通算成績254勝10敗2分14預5無勝負、勝率驚異の.962の成績を持ちます。
その強さから最強力士と呼ばれます。
比較として、横綱白鵬関は、
1187勝247敗253休(122場所)通算勝率.828で、通算勝星は歴代1位のギネス世界記録保持者です。
当然ですが白鵬関も恐ろしい数字です。
しかしそれを額面上とはいえ凌駕するのが雷電なのです。
当然のことながら単純比較は出来ませんが、雷電の強さは相当の物だった事は間違いありません。
それを物語る多くの逸話が残っています。
有名な逸話

『終末のワルキューレ』内でも語られていますが、雷電には禁止手があったとされています。
「鉄砲(突っ張り)」「張り手」「閂」「鯖折り」などの技の使用を禁止ていたとされています。
これは有名なエピソードですが、実際は信憑性が低く、デマであろうと言われています。
雷電は鉄砲や張り手などを得意とした攻撃的な相撲を真骨頂とする力士だった等の証言も残っており、そちらの方が信憑性が高いです。
その攻撃的な相撲故に引き分けが少なく、正攻法で土をつけられる黒星はごくわずかでした。
雷電は身長が197㎝で体重が169㎏と現代の水準でも巨体の持ち主です。
当時では規格外に大きく、膂力も相当なものであったと想像できます。
実際「閂」で対戦相手の腕をへし折った等の記録もあり、その強さを恐れられていた事は間違いありません。
禁じ手の話は、雷電の強さを誇張した誰かが「これぐらいしてやっと対等だ」と冗談めかしたのが広がったのかもしれません。
マニアックな説
実は雷電は横綱ではありません。
歴代最強の力士と呼び声高いながら大関という肩書でした。
これは度々相撲ファンの議論の的になっていたようですが、いくつか説をみてみましょう。
- 推薦を辞退したとする説
- 共に免許を受けるべき実力的に釣り合う相手がいなかったためとする説
- 上覧相撲の機会を得なかったためとする説
- 容姿に恵まれなかったためとする説
- そもそも横綱免許が恒久的な制度ではなかった説
どれも決定的な根拠に欠けているとされていますが、一番最後の説が最も信憑性が高いと考えられているようです。
雷電の時代にも横綱は存在していましたが、あくまで名誉称号でした。
横綱は、江戸相撲を取り仕切っていた行司の吉田司家が権力を保持するために発案したと云われています。
式典の際に行っていた土俵入りに「特別感」を持たせるために、綱を締めた力士に土俵入りを行わせました。
それが天下公認となり横綱という称号が誕生したわけです。
この説では、横綱免許は一度きりのもので恒久的な制度として構想されたわけではないのではないか?という推理がなされています。
実際に初回以降は、39年間も免許の授与は行われなかったようです。
雷電は実力十分であり、事実当時の横綱に敗けた記録はありません。
歴代最強力士の評価は揺らぎないモノです。
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